第3回 再エネ4割超で多元化に成功するスペインに学べ

もはや原発には大きく依存できない

 本連載の第1回と第2回で世界と日本のエネルギー政策におけるギャップの大きさを報告したが、しかし、日本がどのような方向に政策の舵を切ろうとも、必ず取り組まなければならない課題がある。それはエネルギーの多元化だ。

 福島第一原子力発電所事故は原子力発電に対する国民の信頼を大きく失墜させた。

 2013年7月現在、全50基ある原発中2基を除いた48基が停止しており、今後の再稼動の見通しは微妙な状況にある。今回の原発事故により国民の間に生まれた原子力発電に対する不信感は根深いものがあるのに加え、大規模自然災害への追加的対策に伴う原発の建設費の増大や、バックエンド(放射性廃棄物処理等)の未完成などテクニカルな課題もあり、今後これらの課題が具体的にクリアされていかない限り、これまでのような原子力発電に大きく依存した資源エネルギー政策の構築は事実上不可能だ。

 原子力発電に大きく頼ることが出来ないという前提に立てば、そこから見えてくる今後の日本のエネルギー像は、エネルギー高効率化により無駄な需要を可能な限り削減すると共に、原子力発電の不稼働相当分を火力(化石燃料)、および再生可能エネルギーなど多様な方法で代替するという“エネルギー多元化”の方向だ。

 安全性、経済性、環境性、はたまた安全保障など今後日本が何をエネルギー政策の優先順位として考えていくかはまだ見えてこないが、どのような優先順位付けをするにしろ原発に大きく頼れないという制約条件がある限り日本はエネルギー多元化を図らなければならない。

高い日本の再生可能エネルギーポテンシャル

 エネルギーの多元化、即ちエネルギーの選択肢を増やしていくということになるが、その1つとして注目されるのが再生可能エネルギー(以下再エネ)だ。

 これまで日本のエネルギーは、原子力、石油、天然ガス、石炭などで担われてきたが、新たに再エネを加えることで選択肢を広げようというわけだ。

 3.11原発事故以降、日本の再エネには豊富なポテンシャル(表参照)があることが関係省庁をはじめ様々な機関から報告されている。もちろんその全てが実用可能と言うわけではないが、日本の発電設備容量が20,397万Kw(2009年)であることを考えると十分なポテンシャルと言える。

日本の再生可能エネルギーの導入ポテンシャル。(画像クリックで拡大)

 一方、第2回で報告したとおり日本の発電電力量に占める再エネの割合は僅かに1.6%(2012年)という数値に留まっている。再エネのポテンシャルから考えればエネルギーの選択肢としてまだまだ伸び代があるということになり今後の普及拡大に期待がもたれるがそこには対応しなければならない課題もある。

 再エネの弱点としてよく言われているのが、(1)太陽光、風力など再エネ発電は天候に左右される、(2)再エネ発電所と消費地を結ぶ送電線の整備が必要、などだ。

 エネルギー多元化の1つとして注目される再エネだが、こうした課題に対処することが日本のエネルギー多元化を推し進めるポイントとなる。