JAMSTECで3機の自律型無人探査機を同時開発した石橋正二郎さんの最終回。彼はどんな経験を経て、探査機開発をけん引するエンジニアになったのか。整備場から研究室へ場所を移し、彼の仕事と覚悟について聞きました。(写真=田中良知)
はたして石橋正二郎さんの研究室は、きれいに片付いていた。棚に並んだファイルやファイルボックスはきちんとラベリングされていて、几帳面さがにじみ出ている。
もう驚かない取材陣。
のつもりがどうしても、液晶ディスプレイを縦にして、それを縦2枚×横4枚並べた、巨大ディスプレイが気になる。
これ、なんですか?
「整備上でお話しした、おとひめに搭載を予定している全方位カメラのモニター試験に使ったものです。ここに、試験時に積んだのと同じカメラがあります」
新装備を開発する現場
石橋さんは、かなり大振りの懐中電灯のようなものを指す。
「水圧などに耐えられるようにした結果、こうなっています。中に入っているのはこれです」
今度は、小振りのデジタルカメラを指す。かなり広角、つまり広い範囲を捉えられるレンズが付いていますね。
「垂直にも水平にも、180度以上まで見えます」
なるほど。
「なので、これを背中合わせに2台配置すると、360度、つまり全方位見られます。お見せしましょう」
石橋さんがカメラの電源を入れる。
うわっ。