ところが、この流れが大きな物議をかもしました。詳しくは書きませんが、いろんな方向からクレームやら横ヤリやらが入り、苦々しく感じていた理事会がきちんと審議しようと「特別委員会」を招集したのです。

 なんと予想外にも理事会と編集サイドのバトル勃発です。

 社会派の記事を載せた雑誌が“内部で”物議をかもすなんて考えてみればオカシな話ですよね。たとえば、普通の週刊誌がそんなことになるでしょうか? まずありえません。

 さらに面白いのは『ワシントン・ポスト』『ロサンゼルス・タイムズ』『ニューズウィーク』といったマスコミがこの“お家騒動”を記事にしたことです。なぜこれが記事になるのかは『ニューズウィーク』がわかりやすく書いているのでちょっと引用してみましょう。

「ほかの雑誌であれば、南アフリカのアパルトヘイトやカストロ下のキューバ、ハーレムの暮らしは時事問題を伝える素直な企画だろう。しかし、“政党色があったり、論争の的になったりする”ネタを原則として避けてきた雑誌のため、社会派で熱心な編集長と保守一筋の理事会の総裁の間で、これらの記事がもとでかつてない論争に発展したのだ」(『ニューズウィーク』1977年9月12日号)

 グロブナーにとってはこれも予想外でしたが、マスコミの報道が幸いしました。理事会が記事に取りあげられるのを嫌って、事態の収束を図ったのです、まずグロブナーが編集方針とその再確認を認める文案をまとめ、理事会が承認し、グロブナーと理事会の総裁、会長3名の署名入りで発表することになりました。

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