JAMSTECで石橋正二郎さんが同時開発した3機の海中無人探査ロボット「ゆめいるか」「じんべい」「おとひめ」。なかでもほとんどをJAMSTECで内製したおとひめには、石橋さんこだわりの新機能が満載だ。そこに込められた石橋さんの思いとは?(写真=田中良知)


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 石橋正二郎さんが、自動車整備工場にあるようなコントローラーを操作すると、天井から吊り下げられたおとひめの体が浮き上がった。
 そのまま、3メートルほど上昇してストップ。
 ただし、宙吊りになったのはおとひめのボディの上半分、赤い部分のみ。その下には、マニピュレータ(ロボットアーム)を備えた黒い枠組みが取り残された。

「この黒い部分をスキッドと呼ぶのですが、おとひめは、このスキッドと一緒でも稼働できますし、今、取り外した赤い部分だけでちょこちょこ動くこともできます」

 おとひめはAUV、つまり自律型の探査機なので、自分で動くこともできるのだが、人の指令に従って動くこともできる。伝達には音波か、光ファイバを使う。

 では、おとひめを操作する人は、何のデータを見ながら「こっちへ行って」「あれを掴んで」と指示を出すのか。

 様々なセンサーによって得られたデータというのが答えだが、おとひめの場合には、カメラの捉えた映像も大きな判断材料となる。

「おとひめには、4種類7台のカメラを載せています。まず、ハイビジョンカメラ。それから、ステレオ視のためのカメラが2台、NTSCカメラが3台、スナップショットカメラが1台。ステレオ視カメラの画像を解析することで、何かある、だけでなく、3次元的な位置や面積や高さ、そして傾斜までわかります。だから海底をこのステレオカメラで撮影しながら移動すれば、あとでその画像をつないで立体的な海底写真も作れます。それから、全方位カメラというのも近々、搭載する予定です」

 全方位カメラ?

下から見たおとひめ。カメラをはじめ海底を探査する装置が満載。(写真クリックで拡大)

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