第4回 さらに深まるウナギの危機 歯止めかからぬ資源減少

 この6月に閣議決定された2012年度の「水産白書(水産の動向)」は、シロザケ、サンマ、ウナギの稚魚など重要魚種が近年不漁となっていることを指摘。「原因究明に取り組み、適切な対策を講じていくことが重要だ」と訴えた。ウナギの稚魚の不漁は「海流や河川環境の変化など、さまざまな要因によって影響を受けている可能性がある」と分析し、原因究明に取り組むとしたが、これはあまりにもピントはずれだ。

 多くの研究者によって、乱獲や河川環境の変化、河川の巨大構造物の影響などが減少の原因であることが指摘され、漁獲規制や河川環境の改善などの重要性が指摘されている。今や大切なのは、研究や原因究明よりも、ここまで遅れてしまったウナギ資源保護の取り組みを強化することであるはずだ。

 それでも遅ればせながら、ここへ来てウナギの主要な産地で資源管理の取り組みが動き始めた。愛知県は、シラスウナギの漁期短縮と、産卵に向かう親ウナギ(下りウナギ)の河川での漁獲自粛などを盛り込んだ総合的な資源保護の取り組みを開始。宮崎県でもシラスウナギの漁期短縮、下りウナギの保護のため、10~12月に河川での体長25センチ以上のウナギの採捕を禁止した。同様の下りウナギの漁獲規制は鹿児島県でも始まった。これらの取り組み、特に親ウナギの保護は重要だが、効果のほどはまだ不透明だし、乱獲が深刻なシラスウナギの資源管理には目立った進展がみられていない。現在のシラスウナギが親になる5~15年後には、親ウナギの量が今よりはるかに少なくなる可能性もある。

 資源保護対策や河川環境再生が遅れた結果、ウナギの危機は深刻化した。その分、ウナギ復活に向けた取り組みは強力なものでなければならないはずなのだが、現在の取り組みはあまりにも手ぬるい。