第4回 さらに深まるウナギの危機 歯止めかからぬ資源減少

 世界各地に生息するどの野生生物に絶滅の恐れがあるかを検討し、国際版のレッドリストを定期的に発行している国際自然保護連合(IUCN)は、ニホンウナギを含めて19の種と亜種が知られているウナギ科の魚全種について生息状況を評価し、絶滅の恐れがあるかどうかを検討する作業を開始、7月始めにロンドンで各国の専門家を集めた専門家会合を開いた。今秋まで19種のウナギの評価をまとめ公表する方針だ。

 IUCNのレッドリストには既に、一時は日本でも大量に消費されていたヨーロッパウナギが、最も危険度のランクが高い「近い将来の野生での絶滅の危険性が極めて高い種」と認定されている。日本以外のデータは少ないものの、減少が著しいニホンウナギも絶滅危惧種とされる可能性が濃厚だ。

手ぬるい対策

 環境省のレッドリストもIUCNのリストも、そこに掲載されたからといってただちに、漁獲や販売が禁止されたり、規制されたりする訳ではない。だが、ウナギ絶滅の危険度が高まっていることが科学的に明確にされたことで、今後、ワシントン条約での国際取引の規制や国内の漁業規制の強化を求める声が高まるのは確実だ。

 既に紹介したように、ここまで状況が悪化する前に、ニホンウナギの厳しい状況を指摘し、総合的な生態研究や強力な資源管理の実施を求める研究者の声はかなり以前からあったのだが、行政の取り組みも業者の取り組みも遅れが目立っていた。