祝!『微生物ハンター、深海を行く』刊行 番外編

カリブ海からオラ、コモエスタス?

ニコニコ生放送で、一躍スターダムにのしあがった「睡魔ー、いやもとい、スイマー」。スイマーという特定のポジションはなく、船員さんが交代でこなします。スイマーなくして、しんかい6500なし!(提供:JAMSTEC)

その他にもとてもたくさんの関係者が、この「しんかい6500」による科学調査のノーカットリアル生中継のために尽力してくれました。一人一人名前を挙げて感謝したいところですが、それはいつか「風雲疾風録:リアルナマ中継に賭けた男達の物語」(仮タイトル)の長期連載で明らかにすることにしましょう(嘘)。

そうなのです。「しんかい6500」による科学調査のノーカットリアル生中継でワタクシ達が伝えたかったモノ・・・。

もちろん、それは深海という、人間がまだほとんど知らない広大な世界が、我々の地球に広がっていることへの驚きと感動を頭で理解してもらうのではなく、現場と一緒に時を共有することで、カラダで、ココロで、五感で、感じてもらうことでした。

でも、もう一つありました。

それは人間の知的好奇心に突き動かされる有人潜水艇による深海への科学的探求という事象が、けっして科学者の想いや情熱、アイデア、努力や行為だけで成り立っているモノではなく、その一見何の役にも立たないような、ある意味フモーとも思えるような目的や目標であったとしても、請け負った役割と仕事に対し、一つのゴールに向かって誇りと責任を持って全うする数多くのプロフェッショナルに支えられている営みであると感じてもらうことでした。

それが伝わっていたとしたらすごくうれしいです。ワタクシ。

そして「しんかい6500」による科学調査のノーカットリアル生中継を視た人達が、人間の知的好奇心に突き動かされる科学的探求の現場のリアルに対して、ドコカナニカ、少しでも心が揺り動かされるモノを感じて頂けたのならば、ぜひ次は、その現場に飛び込んでみてほしいと思います。

また、その現場とその営みが少しでも長く続けられるように、あるいはもっとたくさんの機会が生まれるように、ワタクシ達やそのプロフェッショナル達の背中を押してくれたら・・・、いいな!

北緯18度22分、西経81度48分、伝説のカリブ海上のジョニー・デップより(嘘)。



『微生物ハンター、深海を行く』(高井研 著)

Webナショジオの好評連載「青春を深海に賭けて」が本になりました。連載の熱気そのままに書き下ろし番外編を加え、高井さんが深海を駆け巡ります!

384ページ・本体1600円+税
発行:イースト・プレス

amazonでの紹介はこちらからどうぞ!
高井 研

高井 研(たかい けん)

1969年京都府生まれ。京都大学農学部の水産学科で微生物の研究を始め、1997年に海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究者に。現在は、同機構、深海・地殻内生物圏研究プログラムのディレクターおよび、プレカンブリアンエコシステムラボラトリーユニットリーダー。2012年9月よりJAXA宇宙科学研究所客員教授を兼任。著書に『生命はなぜ生まれたのか――地球生物の起源の謎に迫る』(幻冬舎新書)など。本誌2011年2月号「人物ファイル」にも登場した。