第47話 氷の魔女の息吹に耐える銀盤の巨体

 犬橇の準備を終えると、トーニャは私に、橇を止めているストッパーの外し方だけを教えて、自分の橇へと戻っていった。

「あの、先生……それだけ?」

 私は、トーニャを呼び止めて、まだ乗り方とか、指示の出し方とか、教えることあるでしょ? という顔を見せた。

「乗ってれば、体で覚えるわよ」

 そんな私を見て、トーニャは遠くから、そう言った。

 なるほど……、

 一発本番、実践で覚えろってことか……。

「は~、はっ、はっはっ!」

 私は、白い息を吐きながら大きな声で笑った。

 実は私は、そういう考えが、一番性に合っているのである。

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