第1回 世界のエネルギー開発競争に乗り遅れる日本

グローバル競争はすでに始まっている

 再生可能エネルギー普及やエネルギー高効率化を推し進める動きはなにも米国に限ったことではない。

 2011年12月には中国の国家エネルギー局が中国第12次再生可能エネルギー発展5カ年計画を公表している。この計画では、2015年を目途に競争的な再生可能エネルギー産業システムを構築し、風力発電、太陽エネルギー、バイオマスエネルギー、太陽光・熱の利用などを促進することが盛り込まれている。

 世界風力エネルギー会議(GWEC)によると、2012年の中国の新設風力発電導入容量は12,960MWで既に世界第2位のシェアを誇っている(ちなみに、1位は米国の13,124MWとなっている)。

 また、欧州太陽光発電産業協会(EPIA)によると2012年の中国の太陽光発電の導入量は8,300MWとなりこちらも世界3位という高いシェアを誇っている(1位はドイツの32,411MW、2位はイタリアの16,361MW)。

 再生可能エネルギー大国となりつつある中国の狙いは自国内に確固たる市場を構築すると共に、再生可能エネルギーの産業化を推し進め、世界に打って出ようとしていることは容易に分析できる。事実、太陽光パネルの市場は中国製が席巻している状況だ。

 ちなみに中国はドイツのように脱原発を主軸として再生可能エネルギーの普及を進めているわけではなく、引き続き原発政策の推進も継続していく方針にある。

 再生可能エネルギーの普及というと日本ではとかく脱原発のための代替と考えられがちだが、世界の動きは再生可能エネルギーをエネルギーの多元化の施策の1つとして、他国に先駆けた普及を目指しているのだ。

 再生可能エネルギーの普及と言えば欧州の動向は忘れてはならない。

 2011年12月に公表された「EUエネルギー・ロードマップ2050」では、●2050年までに二酸化炭素(CO2)排出量を1990年に比べ80%~95%削減、●2050年までに、すべてのエネルギー需要における再生可能エネルギーの占める割合を現在の10%から55%にする、などが目標に掲げられ、各国がそれぞれ目標に向けた取り組みを推進している。

 特にドイツは福島原発事故後に脱原発の政策路線を明確にし、発電構成における再生可能エネルギーの比率を2030年までに30%、そして2050年には80%とするとともに、エネルギーの高効率化も達成することを目指し急ピッチで取り組んでいる。

 かくして、世界のエネルギーシーンは、シェールガスをはじめとする非在来型化石燃料に富んだ国も、原発政策を継続する国も、また脱原発に向かう国も、こぞって再生可能エネルギーの普及とエネルギー高効率化を推し進めるグローバル競争時代に突入したと言えるのだ。