翌朝は、雲ひとつない快晴でした。

 澄みきった森の空気はひんやりとして、湖からは、かすかなもやが立ちこめていました。

 メインロッジにいくと、キャロルが約束通り、熱いコーヒーをマグカップに注いで持ってきてくれました。

「おはよう」と挨拶をして、コーヒーのお礼を言うと、ぼくはふたたび、客の邪魔にならないように、部屋の隅のテーブルでじっとジムの到着を待ちました。

土手の上であたりをうかがうアカギツネ。体の線は細く、横顔にはまだ、あどけなさが残っていた。(写真クリックで拡大)

 <もし本当に会えるのなら、どれだけ待ってもかまわない。帰国の日まで、まだ2カ月と2週間あるのだから……>

 とはいっても、とても冷静にはなれず、「バタンッ」と入り口の扉の音がするたびに、胸がどきっとしました。

 やがて、トムが入ってきたのが見えたので、手を振ると、こちらに近づいてきて話しかけてくれました。

7月28日14~16時、東京都葛飾区立中央図書館で大竹英洋さんによるスライドトークライブ『ノースウッズの森で』が行われます。また、同28日まで葛飾区立中央図書館、立石図書館、上小松図書館の3館にてパネル写真展 『北の森 ノースウッズの世界』も開催中です。くわしくはこちらをご覧ください。

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