一旦日本への帰国を終えて1カ月ぶりに戻ってきたアラスカ、フェアバンクスは、冬真っ盛りだった。

 日照時間が短く、1日の多くが星空に包まれていた。

 太陽は、午前11時半過ぎにようやく顔を出し、低い位置でピンクの朝焼けを演じると、そのまま夕焼けになって、午後2時40分には、星空の暗幕を下ろす。

 フェアバンクスの人たちは、まだ真夜中のような暗闇のなかを出勤し、ランチ時間に、朝焼けなのか夕焼けなのか分からない太陽の光を浴びて、また星空のなかを帰宅している。

 太陽が昇らず、夜に支配された1日は、私の体内時計を狂わせてしまい、時差ぼけよりも、私を苦しめた。

 太陽の光を浴びることができない朝は、いつまでも起きることができず、たとえ何度もけたたましく目覚まし時計を鳴らしても、動き出すエンジンがかからない。

 朝の爽やかさがまったく感じられなくて、いつまでも冬眠していられるほど、眠気に1日中襲われていた。

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