第46話 またもどすこい! 戻ってきたミンチュミナ

 私は、しばらくの間フェアバンクスに滞在して、小用や約束事を済ませてからトーニャや犬たちの待つミンチュミナに戻ることにしていた。

 その間に、この暗闇の世界に慣れようと思っていたのだけれど、私は次第に、気分が鬱々としはじめた。

 気持ちがイキイキとせず、心のなかに、大きな石がずしりと居座っている感じがするようになってきた。

 日照時間の短さや、それに伴って出不精になり、人との会話が少なくなることによってよく起こるという、鬱症状である。

 こんな心でいることは、私には辛かった。早く、ミンチュミナの犬たちやトーニャに会いたい。

 ようやく用事や約束事を終えると、私は早急にミンチュミナに向かう小型飛行機を予約した。

 フライトは、相変わらず天候に左右されていた。

 空港待機をしながら、外の様子を見ると、飛行機の機体もマイナス30℃以下の外気に耐えて、どこか痛々しく感じられた。

 上空の気圧が安定しないということで、何度もフライトがキャンセルになった。

 冬の小型機での飛行は、両翼に氷がつきやすく、操作に伴う細かな部品の凍結も起こし易いために、操縦がとても難しいのだという。そのため、事故も多いという。

 ようやく飛び立つことができたのは、予約から1週間後のことだった。