世界中で秘境の船旅というと、まずはアマゾンの奥地を連想するかもしれません。しかし、船で行く奥地の旅はアマゾンにとどまらず、世界各地でいろいろとあります。南極、北極、スバールバル諸島、ボルネオ島、マダガスカル島、太平洋の島々、ガラパゴス諸島、パタゴニア…。今回は、太平洋のほぼ真ん中に位置するポリネシアの中から、 “秘境の楽園”と呼ばれるマルキーズ諸島を選んでみましょう。

マルキーズ諸島のウアポウ島では、自然の力だけで形づくられたとは思えないほどの尖った山々が続く。
写真:堅田寛(写真クリックで拡大)

 マルキーズ諸島は、タヒチから遥か1500キロ北東の太平洋上にあり、14の島々で構成されています。ここは、ハワイやニュージーランドで見られるポリネシア文化の起源だとされ、この地から高い航海術を持つ人々が太平洋各地に広がっていったと言われています。マルキーズ諸島をめぐるなら、こうした“いにしえの航海”をしのぶ旅がいいかもしれません。

 船旅の出発、終着地となるのは、タヒチ島の首都パペーテ。代表的なコースは全14日間で、島々への生活物資の運搬と客船の役割を兼ねている貨客船「アラヌイ3」に乗船します。航程は、パペーテを出発し、ツアモツ諸島のファカラバ島を経て、マルキーズ諸島に向かいます。諸島自体の旅は、8日間をかけて6島を訪れます。

 マルキーズ諸島では各島の特色が旅の楽しさを奏でてくれます。ヌク・ヒバ島は諸島内最大の島で、複雑に入り組んだ海岸線、険しい山々が印象的です。ポリネシア固有の巨大な石造ティキや、形や色の異なる石で建てられたマルケサスノートルダム大聖堂が見ものです。ヒバ・オア島は、画家ポール・ゴーギャンが終焉を迎えた地でもあります。港町アツオナには、復元された彼の家やゆかりの品々を展示する記念館があります。

 貨客船で諸島をめぐると、各島で生活物資を積み下ろす光景に遭遇するのも興味深い経験です。諸島の気候は年間を通して温暖。なかでも11~3月の夏季は南国の花々が咲き、旅に彩りを添えてくれることでしょう。

 世界には、数限りないクルーズ旅があります。世界有数の船旅や見逃せないスポットなど船旅のプランを立てるときに役立つヒントは、『一生に一度だけの旅 discover 世界のクルーズ旅』(日経ナショナル ジオグラフィック社刊)をご覧ください!

『一生に一度だけの旅 discover 世界のクルーズ旅』(ナショナル ジオグラフィック編、日経ナショナル ジオグラフィック社)

豪華客船から庶民的な小さな船旅まで、世界145地域のとっておきの船旅を集めた1冊です。船でしか行けない旅の紹介だけでなく、陸からの眺めとはひと味違った船旅の楽しみ方を、美しい写真とともに紹介します。

ナショジオストア アマゾン 楽天

この連載の前回の
記事を見る

この連載の次の
記事を見る