第45話 群集の中の孤独……

「1人で生きるなんて、無理よ……」

 オリバー爺さんをなんとか説得しようとする私の後ろで、そう呟いたのはセビーナだった。

「人は、1人で生きていくものじゃないわ……。人とかかわり、人を愛して生きていくものよ」

 セビーナが、少し涙を浮かべていた。

 私も彼女の言葉に頷き、再びオリバー爺さんにここに残るよう言った。

オリバー爺さん。(写真クリックで拡大)

 ところが、スティーブとトビエスは、私たちとは違う考えを持っていたのだった。

 彼らは、声を揃えるように言った。

「オリバーにはできるさ。年老いたって森の男なんだから」

 2人はきっと、オリバー爺さんの気持ちを大切にしたいと感じていたのだろう。

 そして今度は、トビエスが私を説得しはじめた。

「たとえ、老いて何もできなくなったとしても、男というのは、自分の場所で死にたいものなんだよ……」

 スティーブも、トビエスの言葉に頷いていた。