第44話 オリバー爺さんの悲しい覚悟……。

 それは、薪にするために、山のように積み上げていた丸太を、みんなで割って片付けてしまおうとしたときである。

 連日氷点下にまで気温が下がってきたけれど、外での肉体労働は結構汗をかき、喉が渇くもので、この日も私は、脱水状態にならないようにロッジに水を飲みに行った。

 すると、部屋の隅のカウチに、オリバー爺さんがひっそりと座っていたのである。

オリバー爺さん。(写真クリックで拡大)

 私が声をかけると、オリバー爺さんは笑顔を見せた。

 1日1回、私やみんなの顔を見て、話をするのが、日課であり楽しみのようになっているオリバー爺さんは、私がコップに水を注ぎ、飲み干すのを待つことなく、いつものように話し始めた。

 そこに、トビエスも水を飲みに来て、私たちはオリバー爺さんの話に耳を傾けた。

 オリバー爺さんの話は、自然環境から政治の話まで幅広い。

 外では仲間たちが仕事を続けているので、私は何度も仕事に戻らなければと思ったものの、アメリカ人、ドイツ人、日本人という国籍の違う三角対話になると、ついつい意見が飛び交い、私たちは話し込んでしまった。

 その次の瞬間。
「あなたたち、なにサボってるの?」
 と、不機嫌に怒った顔が入ってきた。