第5章 1956- 第二期黄金時代からさらなる挑戦へ

第19回 祝!世界遺産ほぼ決定 ナショジオが伝えた富士山

 1950年代といえば、富士スバルラインや富士山スカイラインどころか、東名高速も中央自動車道もなかった時代。今とはだいぶ様子が違っていたのではないでしょうか。

 特集「ナショジオ・ザ・ワールド:編集長からのメッセージ(Around the World and the Calendar with the Geographic The President’s Annual Message)」の2枚です。文章も撮影も『ナショナル ジオグラフィック』の第2期黄金時代を築いた炎の編集長、メルビル・ビル・グロブナーでした。富士山の説明は次の通り。

「日本の栄光と冠――空に漂う雪をかぶった富士の山頂 高さ3776mの完璧な円錐を描いてそびえる富士山は、世界でもっとも称賛され、愛され、尊敬されている山のひとつである。何世代にもわたり、詩人が称賛の歌を詠み、芸術家が絵に描き、巡礼者が祈りを捧げるために訪れた。活火山にも関わらず、この250年間は静謐さを保っている。この山はごくわずかな人間しか到達できないものを持っている。それは内に秘めた温かな心と明晰で冷静な頭脳だ」

 まさしく世界遺産にふさわしいほめっぷりですね!

 それにしても、今回『ナショナル ジオグラフィック』をさらってみて、いつの時代も富士山が日本の象徴ととらえられてきたことがあらためてよくわかりました。また、晴れて世界遺産になりますが、その紆余曲折を知り、ますます富士山が好きになった今日この頃の中の人です。

1959年12月号より。昼の写真は芦ノ湖を訪れた新婚旅行の2人が記念撮影する様子。富士山が人々に愛されているところを見せたかったとのこと。夜の撮影地はわかりませんが、満月の光だけで撮影したそうです。(写真クリックで拡大)

『ナショナル ジオグラフィックが見た日本の100年』
本誌に掲載された日本の記事60本以上を300枚を超える写真とともにご紹介。この連載で紹介できなかった写真も多数収録! ただし、中の人がテキトーにつけた「にっぽんチラ見」とかのタイトルは変わってるのでご留意を。当然ですが(笑)

つづく

(Web編集部S)