第4回 宇宙医学が貢献するアンチエイジング

宇宙飛行士でJAXA宇宙医学研究センター長の向井千秋さん。宇宙医学には予防医学や健康長寿に貢献する研究が多数あるという

「低重力の状態なら骨や関節に少しずつ負荷をかけてリハビリを行うことができます。脚の静脈瘤などは、重力が低いところに行くとよくなります。全身熱傷(90%以上)の患者さんの包帯をとりかえるのも、重さがないところに身体を浮かせば包帯がいりません。高齢者に多い床ずれなども予防できます。地上では成功しない手術や治療を、低重力空間で行えば命を救えるかもしれない。その可能性を探りながら宇宙医学の研究を進めています」と目を輝かせる。

 宇宙という無重力の極限状態をどう乗り越えるのか? そこに健康長寿のヒントが隠れていることがわかりつつある中、冒険家の三浦雄一郎さんが、史上最高齢で世界最高峰のエベレスト登頂に成功した。極限をめざすという挑戦心と体力づくりが、人を若々しくしてくれるのではないかと三浦さんの笑顔を見てつくづく感じた。

宇山 恵子(うやま けいこ)

医療ジャーナリスト、京都府立医科大学特任教授、東京医科歯科大学非常勤講師。大学卒業後、新聞社、広告会社で医療をはじめ美容、ダイエットなどの取材を担当。海外アンチエイジング情報の翻訳、取材も行う。