第4回 宇宙医学が貢献するアンチエイジング

 これを防ぐために、骨量低下を予防する運動と、骨粗しょう症治療薬をのむという研究プログラムを2009年の宇宙飛行時に若田光一さんが試した。その結果、4か月半の宇宙滞在を経ても、宇宙飛行士の骨量が飛行前とほとんど変わらず、骨量の減少を防ぐことができた。

 この研究で使用された「ビスフォスフォネート」という薬は、すでに骨粗しょう症の治療薬として使用されている。若田さんが試した研究プログラムの成果をもとに、この薬を骨粗しょう症の治療だけでなく、予防のために活用することも検討されている。

 現在日本の骨粗しょう症患者は1300万人超。50代以上の女性の4人に1人、70代以上では2人に1人が骨粗しょう症と推定される。高齢化社会を迎え、ますます患者が増える可能性があるため、早急に予防法や治療法を開発する必要がある。その有力な候補として、宇宙医学が注目を浴びている。

骨密度低下を防ぐための研究に参加する若田宇宙飛行士。手に持った骨粗しょう症の薬「ビスフォスフォネート」を毎日服薬していた(画像提供:JAXA/NASA)