第4回 宇宙医学が貢献するアンチエイジング

 宇宙空間では地上の約10倍の速さで骨密度が低下し、筋肉も毎日1%ずつ減っていく。宇宙は重力がほとんどない「微小重力」の世界、そして強烈な紫外線、宇宙放射線、乾燥、昼夜のない生活…などの影響が人に大きなダメージを与える。

 例えば宇宙飛行士たちは骨密度や筋肉量の低下、生活リズムの乱れ、不眠、ストレス、運動機能の低下、その他たくさんの健康リスクと闘いながらミッションを遂行している。宇宙飛行中の宇宙飛行士たちのさまざまな肉体的・精神的変化を分析すると、我々が地上で体験する老化現象と同じようなことが、宇宙飛行士たちの体に急激に起こっている。宇宙飛行は擬似的な「急速老化現象」を引き起こしているといえる。

 このような宇宙飛行で起きる人体への影響を少しでも抑え、宇宙飛行士が健康を維持しながら活動できるよう研究している学問が宇宙医学である。また、その研究成果はアンチエイジングに大きく貢献する可能性を秘めている。

地上の10倍の速さで骨も老化?尿路結石まで!

 立ったり歩いたり、地球上で活動する刺激によって、骨は代謝をして古い骨から新しい骨に少しずつ生まれ変わっていく。しかし宇宙空間では重力がほとんどないため、骨粗しょう症患者の約10倍の速さで骨量が減少する。それだけでなく、骨からカルシウムが放出される量が増えるので、尿中のカルシウム量が増え、尿路結石を起こすリスクも高まってしまう。