島嶼化の効果で、生きものが小型化したり大型化したりして、今から見ると変なサイズ感覚の動物がたくさんいた島なのだ。

 ゾウはピグミー・ステゴドンと呼ばれるもので、日本でも発掘されているアケボノゾウの近縁(同じステゴドン属)だ。子どものゾウではないかと一瞬思うほど小さい。牙の間隔が狭く、鼻がその間を通らなかったともいわれる、変わった特徴を持つ。

 大きな鳥は、ハゲコウだ。今も生きているアフリカハゲコウは、体高が120センチくらいになるが、こちらは180センチとさらに巨大だ。復元のたたずまいは、日本の動物園でもかなり人気者のハシビロコウにも似ている。

 ステゴドンもハゲコウもすでに絶滅しているが、コモドオオトカゲは今も生き残っている。コモドドラゴンとの異名を持つ、肉食の巨大なトカゲだ。今でもよく家畜が食べられたり、人間が襲われ怪我をしたりしている。ホビットサイズの人類は、まさに捕食対象でもあっただろう。さらに、現生人類であるホモ・サピエンスもある時期からは存在したはずだ。どのように出会い、共存していたのだろうか。

「こんなに小さくて、よくここで生きのびたなって思いますよ。本当に、こうも小さいっていうのがよくわからないんですよね」と海部さんも、この点については、いかに島嶼化とはいえ、大いに不思議がっていた。

 さらに、アジア全域に視野を広げると、またも、興味深い事実に直面する。ホビットことホモ・フロレシエンシスの発見をきっかけに、アジアの人類の多様性がにわかに注目されるようになっているのだ。

アジアの人類は思った以上に多様だった。(写真クリックで拡大)

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