「ホモ・エレクトス(ジャワ原人を含む)から矮小化したというときにですね、アフリカや中国やアジアの地域も年代もバラバラなものの全体平均を取って991ccとか大ざっぱにやっていたわけです。でも、僕たちはジャワ原人の古いタイプのものが祖先であろうと考えているわけですから、世界的な平均ではなくて、その祖先に近いものを見ます。その脳サイズは860ccくらいなんですね。だから祖先値がちょっと減って、子孫値がちょっと上がりました。ギャップが縮まったことになります」

 さらに3つめの議論。

「もう1つ大事なのが、人類は体が小さければ脳サイズも小さいというふうに、体と脳のサイズは連動しているんです。その関係が十分理解されず議論されていたんです。先行研究を見ていて気がついたのは、デンマーク人という1つの集団から導き出した体重と脳サイズの関係を使っている。でも、特定の地域集団の中の個人差を見た場合と、集団の間で比較した場合では、関係が違うことがあります。僕らは今、ボディサイズの違う原人の集団というものを想定しているのだから、例えばホモ・サピエンスで対照するなら、ホモ・サピエンスの中の体の大きい集団、体の小さい集団の集団平均値をプロットして比較すべきだと。体が大きいヨーロッパ人だとか、体が小さいピグミー、ネグリトですとかデータを集めると、これまで言われていたよりも、体重が小さくなると脳サイズも顕著に小さくなることがわかりました」

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