第5章 1956- 第二期黄金時代からさらなる挑戦へ

第18回 エベレストの標高が2メートル高くなりました!

 この8848mという数字は、ネパールへの入国をはじめて許可されたインドの測量隊が1954年に測量して割り出しました。

 当時としては正確な測量が行えたということがまずありますが、エベレストの測量にとって、インド隊の数字はとても重い意味を持っています。何しろエベレストが世界最高峰であることを確定したのは“インド測量学の父”といわれる「ジョージ・エベレスト卿」ですからね。もちろん、「エベレスト」という名前の由来になった人物です。

 さらに1975年、頂上に三脚をすえた中国チームが黄海を基準として誤差30cmの範囲で8848mと発表します。山頂の雪の深さが1mだったこともインド隊のデータと一致し、以来、8848mがより強く支持されました。

 これらは地上での測量による値でした。

 一方、ウォッシュバーンはGPSを使いました。

 1995年、彼は頂上から2km離れたサウス・コルにGPS受信器を設置。そして、1999年5月には頂上にも運び、誤差を少なくするために2カ所で測定したうえで、8850mという結論を下します。

 ただし、エベレスト頂上のGPS受信器は雪の上において計測したので、8850mには雪と氷の厚さが含まれています。ウォッシュバーンは雪氷の厚さを2mのパイプで測ろうとしたものの、それでは足りず、岩盤の高さまでは決められませんでした。ちなみに、8848mも雪と氷込みの数字です。

 というわけで、『ナショナル ジオグラフィック』はエベレストの標高として、2000年4月号から8850mを採用していますので、もし8848mと覚えていましたら今後は「エベレストの標高は雪も含めて8850m」とお見知りおきください。

つづく

(Web編集部S)