File5 実はヤバい永久凍土 飯島慈裕

第1回 永久凍土って何ですか?

 そして、この異常な気圧配置は、海氷を吹き流すだけではない。
「東シベリアに低気圧を運び、夏に雨、冬に雪を降らせやすくなります」

 降雨量、積雪深の観測データを見ると、1950年から2000年まで、多雨多雪の年は2年しかなかった。ところが、2005年から2007年までは3年連続で、多雨多雪。

 そうか、シベリアで降雨量、降雪量が増えてるのか。

 あれ?

 さきほど、永久凍土が融解し、水が流れ出てその土地から減ることで、森林が枯れるという話がありましたよね。雨や雪が増えるなら、プラマイゼロとはいかなくても、バランスはいい方へ行くのではないですか?

「私も最初はそう思っていました。実際に、アメリカとカナダの永久凍土では雨が減り、その影響で森林が枯死したことが報告されていました。温暖で地表面近くの凍土が解けて流れていったうえに、雨が少なかったからです」

 ところが、雨と雪が増えた東シベリアでも、結果としては同じように森林は枯れていく。なぜなのか、飯島さんは根本から見直すことにした。

つづく

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この記事は日経ビジネスオンラインとの共同企画です。
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片瀬京子(かたせ きょうこ)

1972年生まれ。東京都出身。98年に大学院を修了後、出版社に入社。雑誌編集部に勤務の後、09年よりフリー。共著書に『誰もやめない会社』(日経BP社)『ラジオ福島の300日』(毎日新聞社)など。