File5 実はヤバい永久凍土 飯島慈裕

第1回 永久凍土って何ですか?

凍土が解けて、何が起きているか

 飯島さんが注目しているのは、この辺りの“氷が解ける”温度帯である。出かける先のひとつである、東シベリアのヤクーツクでは、凍土の温度はマイナス5℃から0℃程度だという。

 では、地中で氷が水になることで、地上でどんな変化が起こるのか。
 氷が水になるといえば、そうですね、流れていく?

「そうです。まず、湖や川へ流れ込む水の量が増えます。それから……」

 それから、なんでしょう?

「地上の植物に影響を与えます。水が流れ出るのと、地面から凍土までの深さが深くなることで、地面付近の土壌水分が少なくなり、枯れることがあります」

 なるほど。雨が少ない土地では、もともと土壌に蓄えられている水が植物を生育させる。氷が解けるということは、その蓄積を失うことになる。

「地形が変わることもあります。地中にあった氷がなくなって、へこむんですね」

 永久凍土が解けると、河川の水量増、植物の枯死、土地の陥没など、人の目に見える形での変化が起きるのだ。

ヤクーツク。水分の多い土壌で熱の伝わり方を測定中。(提供:飯島慈裕)(写真クリックで拡大)