第11回 メコン川

 リバークルーズは欧州だけでなく、世界各地の大河で運航されています。東南アジアで人気なのは、ベトナムとカンボジアを流れるメコン川やミャンマーを貫くエーヤワディー川です。今回はメコン川をさかのぼり、アンコール遺跡群を見学するコースを紹介しましょう。リバークルーズでは、遺跡が川岸近くにあり、上陸した地点から歩いて訪ねることができる場所も多く、「母なる水域」が育んだ文明の足跡をたどることができます。

メコン川の船旅で最終地点となるシェムリアップでは、アンコール遺跡群を見学できる。写真を撮るなら、こんな朝焼け風景がベストショットだ。
写真:丹治たく(写真クリックで拡大)

 メコン川は、総延長4000キロを超える大河です。この川に数年前から、河口のホーチミンと最終地点のシェムリアップを結ぶ、5つ星クラスの客船が就航しており、いまやアジアで人気の船旅となりました。コースは上り、下りの2タイプがありますが、ホーチミンからのぼる8日間のコースが代表的です。

 コースのハイライトはもちろん、最終地点のアンコール遺跡の見学ですが、ホーチミンを出発してから、途中の沿岸にある素朴な村々や由緒ある仏塔を訪ねるのが今回の醍醐味です。

 たとえば、旅の2日目にはカイベーという寄港地で水上マーケットやコロニアル様式の街並みを散策。4日目はタンチャウで狭い水路に沿って家屋が建っている集落を訪問します。6日目は伝統的なシルクを織るチョンコーや仏塔が並ぶウウドンを見学できます。こうして、陸路では訪れる観光客がいない村々をめぐるのが、この船旅の楽しさと言えるでしょう。

 最終地点のシェムリアップは、アンコール遺跡群への基点として、ホテルやレストラン、ショップなどが集まる観光街です。ここに滞在するためのホテルは事前に予約しておくことをおススメします。日程に余裕があるなら、数日滞在して、アンコール遺跡群をじっくり見学するといいでしょう。

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