第3回 景気だけでなく若さもUP?! アベノミクスが見据える再生医療

 この研究では魚油などに含まれる不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)が、アミロイドβによる細胞内のストレスを軽減し、神経細胞死も抑制されることが認められた。高齢化社会が進む中、患者数が急増するアルツハイマー病の原因や治療法、さらには予防法が一日も早く解明されることが待たれる。

薄毛にもiPS細胞が?!

 薄毛は実年齢よりも上に見せてしまう。毛髪の再生は誰にも興味があるトピックスだ。2013年1月、慶応大医学部の研究チームがiPS細胞を用いて、発毛のために重要な役割を持つ「毛包」の再生に成功した。この研究ではヒトのiPS細胞で作ったケラチノサイトという毛包を構成する細胞をマウスの皮膚に移植したところ、2~3週間で毛包に似た構造ができ上がり、発毛が見られたという。脱毛症に悩む人には朗報だ。

老いた免疫細胞を若返らせ内なるアンチエイジング

 免疫は外敵の侵入から体を守る重要な役割を果たしているが、加齢とともに免疫細胞の能力は低下する。このためアンチエイジングには「免疫力」を維持することが大切だと言われている。2013年1月、東京大学医科学研究所(東大医科研)が、iPS細胞を用いて、老化した免疫細胞を若返らせることに成功し、米国科学雑誌「Cell Stem Cell」に発表された。これによって加齢とともに低下する免疫細胞の機能を回復させることができ、免疫細胞の寿命を延ばし、攻撃力を高めることで、外敵の侵入を防いで病気の予防に貢献する可能性が高い。

歯周病で失った歯茎の再生にも

 再生医療の世界で、もっともヒトへの実用化が近いと言われているのは、骨や軟骨、脂肪、筋肉、神経などを造る能力をもった間葉系幹細胞だ。間葉系幹細胞は骨髄などにあり、自分の骨髄から採取すれば安全性も高く、骨、血管、心筋などの再生にも期待が持てる。現在では、歯周病で失った歯茎などに移植して歯茎を再生する研究が進んでいる。間葉系幹細胞もiPS細胞から作ることができるため、その研究も行われている。