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「最も偉大な」冒険家
ラノフ・ファインズ卿

ラノフ・ファインズ卿は「存命中の冒険家では最も偉大」とされる英国人。40年以上にわたって先例のない探検に身を投じ、川や砂漠、北極や南極に挑んできた。69歳となる今年、史上初となる冬季の南極大陸横断に挑戦したが、凍傷のために離脱を余儀なくされた。
――心臓発作や昏睡状態を経験し、指を失ってまで、なぜ冒険を続けるんですか?
長年一緒にやっているチームを代表して言うなら、ただ一番になりたいからですよ。でも最も根本的な動機は、父がしたことを実現できなかった後悔から生まれています。スコットランド最後の騎兵連隊を指揮することです。
――なぜ指揮できなかったんですか?
数学の成績が悪くて、士官学校に入れませんでした。でも陸軍に入隊し、兵士たちにカヌーやスキー、登山を教えました。つまり探検の方法です。それに史上初の冒険をする方が、スポンサーを獲得しやすいことを学びました。
――尊敬している冒険家はいますか?
砂漠の冒険家ではウィルフレッド・セシジャー。極地ならダグラス・モーソン。南極大陸に初めて足を踏み入れたロバート・スコットも尊敬しています。
――特に危険だった冒険を教えてください。
高所恐怖症を克服しようと、2007年にスイスのアイガーに挑んだんです。でも山頂にたどり着くまで一度も下を見ていなかったと、後になって気づきました。恐怖と向き合わないことで、どうにか登頂できたんです。
――失敗した時に、立ち直る方法は?
過去40年間の冒険は半分が失敗でした。でも世界記録を達成できるかなんて最初から予想はできません。そのことさえわかっていれば、あとは再び挑戦するだけです。異なる方法で、異なる角度から攻めればいいんですよ。