(写真クリックで拡大)

 亜鉛70のビームを、重イオン線形加速器(RILAC)で、光速の10パーセントにまで加速して照射する。

 標的はビスマス209。ただ単純に当てるだけでは、目的を達することはできない。

「標的のビスマスは、約0.5ミクロンの薄膜にしてあるんですが、1秒間も当たっていると10万℃くらいになってしまうんです。そんな温度になったらどんなものも耐えられないので、ディスク状にして1分間に4000回転くらいでまわして、1カ所に続けて当たるのを避けています。仕掛けの中にガスが詰まっているんで、まわっている間に冷却する効果もありまして」

 1秒で10万℃! 光速の10パーセントというのも相まって、もの凄いエネルギーなのではないかと思う。それについて問うと、森田さんはまたも手計算を始めた。

左がターゲットを回すためのディスク(画像提供:理化学研究所)。右がターゲットのビスマスで、ディスクに取り付けられる。(写真クリックで拡大)

2013年5月号特集「未知なる元素をつかまえろ!」
本誌では超重元素合成の世界情勢をレポートしています。フォトギャラリーもあるWebでの記事の紹介はこちら。また、電子版では未知の元素の合成方法や、新元素の横顔を紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。

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