元素周期表(2012年9月時点)(画像提供:理化学研究所)(画像クリックで拡大)

 化学の世界で重宝する周期表は、元素の化学的な性質が、周期的にあらわれるのをみて取るのに優れている。ほかの元素と反応しにくい、いわゆる希ガスは、ヘリウム・ネオン・アルゴン・クリプトン・キセノン・ラドンと続き、周期表上で縦に並んでいる(第18族元素)。一方、反応性がきわめて高い、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の並びは、ハロゲンと呼ばれこれも縦に並んでいる(第17族元素)。その理由は、最外殻電子がうんぬん……と、きっと化学で勉強したはずです。

 しかし、同時に、ぼくたちは「同位体(アイソトープ)」の存在も教えてもらったはず。原子核の中の陽子の数で元素は決まるけれど、中性子の数が違うものがあって、それが同位体と呼ばれる。これは化学的な性質にはそれほど影響を与えないが、同じ元素の原子でも質量が変わる。陽子と中性子を足した数を質量数といい、同じ原子番号でも、質量数が違う同位体は、物理的には大違いである。また、同位体の中で不安定なものは崩壊し、放射性同位体と呼ばれる。

 個人的な告白をすれば、はじめて周期表を見た時、周期性の秩序に感動しつつも、「元素」という言葉の響きからするとやたらたくさんありすぎないかと不満を感じた。もちろん数学でいう素数ですら、無限にあるのだから文句は言えないのかもしれないが、同位体まで含めるとやたら多すぎて思考の枠組の外だったと認めなければならない。

 ところが、その同位体の世界を俯瞰して研究している立場の人たちというのが確実におり、森田さんのような「超重元素の錬金術師」たちもまさにそうなのである。

2013年5月号特集「未知なる元素をつかまえろ!」
本誌では超重元素合成の世界情勢をレポートしています。フォトギャラリーもあるWebでの記事の紹介はこちら。また、電子版では未知の元素の合成方法や、新元素の横顔を紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。

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