第1回 日本人初!の“超重元素の錬金術師”

 物質の元になっているのは、元素である。

 元素といえば、高校の化学で習う周期表をみれば、すべて書かれている。

 原子番号が若い順から、「すいへーりーべーぼくのふね……」(水素H、ヘリウムHe、リチウムLi、ベリリウムBe、ホウ素B、炭素C、窒素N、酸素O、フッ素F、ネオンNe)であり、以下、続く。

 元素(英語ではelement)は、その語感通り、物質の基本的な単位だ。地球上のありとあらゆるものは、様々な元素とそれが組み合わされた化合物でできている。化合物は新たな元素ではなく、いわば合成物だ。化学的な方法で新たな元素は作れない。昔の人は、錬金術などといって、安価な物質から金などの貴金属を作り出そうとしたそうだが、そういう努力は無駄であったと今では分かっている。

 しかし、化学で周期表に初対面した時、原子番号が大きくなっていく下の段の方を見つつ、良心的な注釈(?)をしてくれる先生も多いかもしれない。

 ──地球上に自然に存在している元素は、原子番号92のウランまでで、それよりも重いものは、なんらかの方法で人間が合成し発見した。原子番号93のネプツニウムと94のプルトニウムについては、人工合成による発見ののち天然にも存在することが確認されたが、ごくごく微量だ。ウランよりも原子番号が大きな元素を超ウラン元素、あるいはさらに重い原子番号103を超えるようなものは超重元素(チョウオモ元素ではなく、チョウジュウ元素)と呼ぶ。

 というふうに。

理化学研究所「RIビームファクトリー棟」1階にあるギャラリー「RIBF CYCLOPEDIA(サイクロペディア)」の展示より。(写真クリックで拡大)

2013年5月号特集「未知なる元素をつかまえろ!」
本誌では超重元素合成の世界情勢をレポートしています。フォトギャラリーもあるWebでの記事の紹介はこちら。また、電子版では未知の元素の合成方法や、新元素の横顔を紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。