第38話 森の病から心を救う、元ヤンキー巡回牧師?
ようやくスティーブの家に着くと、彼の両親と牧師が、外に出てきて迎えてくれた。
簡単に食事をして、挨拶程度の雑談をすると、巡回牧師は、すぐにも聖書を開きだした。
私は、ああ、堅苦しい時間が始まるな~、と思った。
こういうのは、正直苦手なのである。
一応、正しい椅子の座り方マニュアル通りの正しい姿勢で椅子に座り直すと、なんとその牧師は、私とは反対に、なんだかやる気のない学生のような、腰の浅いだらけ座りで、ちょっと横柄に足を組んだ。
片手をジーンズのポケットに突っ込んで、もう一方の手で聖書を持つ。
歳は40半ばほど。
牧師というのは、人を諭し、人の道を示す仕事だけあって、経験を重ねたお爺さん牧師が来るとばかり思っていた私には、どこをどう見ても、この牧師が教会からの使者のようには見えなかった。
ただの、あんちゃんなのである。しかも、ちょいワル系。