その影響で、美容医療もめざましい発展を遂げた。特に顔のたるみを取るフェイスリフト手術、プロポーションを整える脂肪吸引、豊胸・整胸手術、ボトックス注射によるシワ取り、ヒアルロン酸注射によるハリの回復、レーザー・光治療による美肌回復などが、特別な人のものから、誰でも気軽に受けられるアンチエイジング美容医療として普及している。

 アンチエイジングの中心はアメリカだった。しかしアメリカで開発された数々のアンチエイジング療法は、あまりに高額。人工的で、時には健康を害するリスクをはらんでいる。まさに始皇帝を想起させるところにまで過激にエスカレートしたため、人々は少しずつ警戒しはじめた。

 さらに「肥満が老化の最大の敵」と考えられている中、アメリカは肥満大国となり、まさに自己矛盾の最中で迷走している。これに代わって世界で最も注目されているのが、日本の食文化。日本食が世界遺産に登録される日もそう遠くはないくらい、おいしさと健康への貢献度、自然素材をふんだんに使ったナチュラルなイメージが人々を魅了している。

 さらに食だけでなく、日本人女性の若々しさや長寿の理由にも、世界から注目が集まっている。

 始皇帝が考えたように、日本は長寿の国、蓬莱だったのかもしれない。
 次回は、日本のアンチエイジングが世界に注目され始めた理由について、老若男女の最新アンチエイジング法などを交え、詳しく紹介しよう。

レーザーや注射、点滴など、メスを使わない美容医療が大人気だ。(撮影協力:相澤宏光医師)(写真クリックで拡大)

宇山 恵子(うやま けいこ)

医療ジャーナリスト、京都府立医科大学特任教授、東京医科歯科大学非常勤講師。大学卒業後、新聞社、広告会社で医療をはじめ美容、ダイエットなどの取材を担当。海外アンチエイジング情報の翻訳、取材も行う。

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