第1回 不老不死と狂気から始まったアンチエイジング

 そのための方法としては、まず老化を客観的に分析する検査を受けること。遺伝子検査、酸化ストレス検査、骨老化検査、肌年齢検査、血管年齢検査、脳ドックなどで、全身をくまなく検査する。さらに検査結果をもとに、体内に発生した活性酸素を消去するサプリメント療法、食事療法、点滴療法や、不足したホルモンを注射やシールで補充するホルモン補充療法、体内の有害物質を取り除くデトックス療法やキレーション療法などを行うというもの。

 上記のようなアンチエイジング療法は、健康保険が使えないために、約10万円程度の費用がかかり、一般に広く普及していない。そのかわりに、若返りやアンチエイジングというキーワードを使った、通販サプリメントが普及。平成24年(2012年)の消費者庁の調査では、約6割の消費者がサプリなど健康食品を利用しているという結果が発表された。さらにアンチエイジング検査は思ったほど普及しなかったが、「骨年齢」「筋肉年齢」「体年齢」がわかる体重計などが人気を博した。

肥満こそ老化の最大の敵! 1日1食、断食本が流行

 そんな中、老化を引き起こす原因として、肥満が大きくクローズアップされた。2009年に科学雑誌『サイエンス』に紹介された米ウィスコンシン大学のアカゲザルの研究で、40%のカロリー制限をしたサルが通常食のサルよりも毛並みがキレイで若々しかったという結果が大々的に報告され、カロリー制限のアンチエイジング効果が注目され始めた。

通常食の40%のカロリーをカットした「超低カロリー食」で飼育されたアカゲザル(CとD)は寿命が延び、見た目にも若々しかった。Science 10 July 2009:vol. 325 no. 5937 201-204 “Caloric Restriction Delays Disease Onset and Mortality in Rhesus Monkeys”(写真クリックで拡大)