第37話 食堂の太っ腹おばちゃん化する私。

 そんな彼女にとって、犬たちは家族も同然。

 毎日世話をしてきた犬たちだから、ぐるりとドッグヤードを見渡すだけで、おおよその健康状態や体重の変化に気づくことができる。

 犬たちの中には、トーニャのいない間に、太ったものもいれば、痩せたものもいた。

 痩せたのは、同じ量の餌を食べていても、どこか体の調子が悪いか、精神的なものもあるのだろう。 

 もうすぐ犬橇の季節も本格的に始まるのだから、一定の体格を作っておかなければならないのに、みんなバラバラだった。 

 しかしながら、ほとんど素人の私を残して、街に行ってしまったのだから、トーニャにも責任の一端はある。

 これからは、体格づくりのために、1匹1匹の餌の配分を変えなければならない。

 トーニャは、1匹の犬を犬小屋の上に乗せると、
「これから、橇犬たちのことを教えるからね」と言った。

 私にとっては、
「待ってました!」である。