第37話 食堂の太っ腹おばちゃん化する私。

 犬たちの餌のどろどろスープというのは、食肉工場から下がってくるくず肉と、ペットとして飼われている犬よりも栄養価の高い犬橇用のドッグフードと、各種のビタミン剤、カルシウム剤、それに少量の植物油と湯を混ぜて作る。

 そもそも、この分量は目分量であって、肉は両手つかみで1杯分。

 ドッグフードは、市販のコーヒー豆缶の空き缶にだいたい2杯というふうに、計りや軽量カップを使うわけでもないので、だからついつい、犬たちの嬉しそうな顔を見ると、両手つかみの肉の量も多くなるし、缶の1杯分も、上の余分を平らにならすこともなく山盛りになってしまう。

 実は私は、どこか……、

 学生食堂の太っ腹おっかさんのようなところがあって、痩せっぽちの若者たちなどを見ると、「お腹いっぱい食べなさい!」と、ど~んと、食べさせてあげたくなる。

 自分は小食だけれど、人に出す料理は、具だくさんのてんこ盛りが基本だし、儲け度外視で、なんでもあげてしまう癖もある。

 こういう性格だから、商売には絶対向いていない。

 そんな私にとって、目の前にいるドッグヤードの橇犬たちは、どう見ても、痩せっぽちのお腹を減らした若い衆だったのだ。

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