番外編16:こんなところにカエルの卵が!?

アカメアマガエル (両生綱:無尾目:アマガエル科)の眼
An eye of the red-eyed tree frog, Agalychnis callidryas
眠っているときは、金色の網目模様が入った透明のまぶたを閉じている。
目の大きさ:約5 mm 撮影地:サラピキ、コスタリカ(写真クリックで拡大)

 赤いクリクリ目玉が印象的なアカメアマガエル。熱帯雨林で時折見かけるカエルだ。

 先日、熱帯研究機構(Organization for Tropical Studies)のラ・セルバ生物研究所に滞在していたとき、意外なところにアカメアマガエルの卵があることを教えてもらった。

 そこは研究所の一角にある貯水タンクがいくつもある場所。タンクやパイプの表面に、たくさんの卵が産みつけられていた。通常ならこのカエルは、水面にせり出た植物の葉の表面に産卵する。やがて孵化したオタマジャクシが水の中へとポトポトと落ちていく仕組みだ。

 ところがタンクに産みつけられた卵の周囲にはまったく水はない。これでは孵化したオタマジャクシの行き場がない。もしかするとパイプ内の水流の音を聞いた親ガエルが間違って産卵しているのかも。困ったもんだ。

 プルプルゼリーのような卵のかたまりを慎重にはがし、手のひらへ載せる。よくくっつくけどベトベトしない!
 水辺の植物の葉の上にくっつけてやり、レスキューを無事終了した。

アカメアマガエル (両生綱:無尾目:アマガエル科)
The red-eyed tree frog, Agalychnis callidryas
中米の熱帯雨林から熱帯湿潤林に生息。夜行性で、昼間は体をすくめ葉の裏にくっついて休んでいる。起こすと大きな赤眼を披露する。
体長:約6 cm 撮影地:サラピキ、コスタリカ(写真クリックで拡大)
アカメアマガエル (両生綱:無尾目:アマガエル科)の卵
Eggs of the red-eyed tree frog, Agalychnis callidryas

透明のゼリーに包まれる卵のかたまり。ひとかたまりに約50個。メスは一晩で5つほどのかたまりを産卵するという。
1つの大きさ:約3 mm 撮影地:サラピキ、コスタリカ(写真クリックで拡大)

(編者から:ナショナル ジオグラフィックの「アカメアマガエル」の記事はこちら

西田賢司

西田賢司(にしだ けんじ)

1972年、大阪府生まれ。中学卒業後に米国へ渡り、大学で生物学を専攻する。1998年からコスタリカ大学で蝶や蛾の生態を主に研究。昆虫を見つける目のよさに定評があり、東南アジアやオーストラリア、中南米での調査も依頼される。現在は、コスタリカの大学や世界各国の研究機関から依頼を受けて、昆虫の調査やプロジェクトに携わっている。第5回「モンベル・チャレンジ・アワード」受賞。著書に『わっ! ヘンな虫 探検昆虫学者の珍虫ファイル』(徳間書店)など。
本人のホームページはhttp://www.kenjinishida.net/jp/indexjp.html