人権侵害の問題を取材するため、写真家のハモンドが初めてジンバブエに入ったのは2007年。その後も何度か訪れ、許可なく撮影した罪で2度逮捕されたうえ、昨年には刑務所で26日間過ごした末に国外退去させられた。彼が特に興味をひかれたのは、低所得層が済むムバレの町。街角では、割れた鏡の前で散髪をしている少年に出会った。

――ダニエル・ストーン

レンズの裏側

――なぜジンバブエの現実を伝えようと思ったのですか?

ハモンド:この国の人々はかつて、黒人解放を掲げる現大統領のロバート・ムガベとともに、自由を勝ち取ろうと戦いました。しかし実際には、自由を得るどころか、独裁者によって抑圧されています。私は、権力に固執するムガベの支配のもと、脅迫や政情不安のなかで、人々がどんな暮らしを送っているかを記録したいと思いました。

――取材は大変だったでしょうね。

 毎朝4時に起きていました。町に人が少なくて、仕事の邪魔をする連中がいない時間帯なんです。早起きにはすっかり慣れましたよ。カメラを持った白人がうろうろしていることが知れわたると、警備員が飛んでくるんです。

――撮影の了承を得るのも難しかったのではないですか?

 名字は明かさないと約束したり、場所を特定できないように撮ると言ったりして、説得しました。たいていの人は快諾してくれましたよ。現政権の被害に遭っている人のほうが話しやすかったですね。私は白人なので、秘密警察の人間だと疑われることがありませんから。