第6回 北欧フィヨルド

 船旅では利用する船の種類も多岐にわたっていますが、短時間で景勝地をめぐる遊覧船は世界各地で運航されています。今回から3回にわたって、遊覧船で楽しめる景勝地を紹介しましょう。最初は、世界的に名高いノルウェーのフィヨルド。氷河が削り取ってできたフィヨルドでは険しい峡谷が形成されています。なかでもノルウェーの西岸に位置するソグネフィヨルドは内陸に全長200キロも続いており、遊覧船に乗って、その圧倒的な景観を存分に楽しむことができます。

北欧のフィヨルド地帯では、数多くの遊覧船が運航されている。なかでもソグネフィヨルドは北欧観光のハイライトだ。
写真:糸井康友(写真クリックで拡大)

 ソグネフィヨルドの全長は、グリーンランドのスコルズビ湾に次いで世界第2位と長く、ノルウェーのフィヨルドの代表格です。周辺各国をめぐる客船や、数時間または数日間の遊覧船など、気温が暖かくなる夏季には数多くの船が海上を行き来しています。

 ソグネフィヨルドをめぐる遊覧船は、ノルウェーの海岸線から内陸に130キロ入ったフロムという村の港から発着しています。このフロム港は、急勾配の鉄道として知られるフロム鉄道の終着地、フロム駅の目の前にあります。駅を抜けると、岸壁にたくさんの船が並び、世界各国から多くの観光客が訪れます。

 遊覧船は短い乗船時間で、たとえばグドバンゲンという場所までの約2時間のコースがあります。出港後、前方に視線を移すと、もうそこはフィヨルド地帯。高さが最大1000メートルという切り立った崖が、青い空や木々を映し出した波静かな海を囲んでいます。こうした雄大な景色は終着地まで途切れることがありません。

 景色は多様に楽しむことができます。崖の麓には、わずかな緩斜面に家が集まった村がいくつか点在しています。なかでも、美しい姿で観客を魅了するのが、カラフルな家が密集するオッテエルネスという村で、出港してすぐに見ることができます。コースの後半では、前半よりも狭い峡谷を進み、風景はよりダイナミックに変化していきます。

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