第36話 待ちに待った、トーニャの帰還!
それを見た私たちは、トーニャの前、3メートルほどで急ブレーキを踏むように足を止めた。
「も、もしや……、都会の風邪?」
私は、恐る恐るトーニャに尋ねた。
「そうなの……ごめんね……」トーニャは辛そうに答える。
「そ……、それは、どんな種類の風邪?」また、私は恐る恐る尋ねた。
「フ、フルー……」トーニャの声は少し、ガラガラとしはじめた。
「ふっ、ふるーう?」私は、仰け反った。
フルーとは、インフルエンザの略語である。
「インフルエンザ……、か……」トビエスもセビーナも、後ずさりをして、体が固まった。