第5回 文系理系の壁を超えた新しい科学がやってくる!

「僕がするような話って、あまり意識の上にはのぼってこないけれど、言われてみれば、ああそうか、ということが多いんです。例えば、生物の系統樹だったら、皆さんも知っていますが、言語の系統樹は知らない人が多いし、写本の系統樹なんて初めて見ましたってことも多いです。同じような考え方がいろんな分野で実は共有されてきた、普遍的なものの考え方の系譜があるわけで、こういうところが共有されていけばいいんじゃないかなと。さらに言えば、きわめて今日的なテーマですが、最近のデータ情報学の最先端に、昔からの分類なり系統なりの考え方がつながっている、ということを意識するのは意外に大切だと思っているんですよ」

前のページの図は広げるとこんなに長い!(写真クリックで拡大)

 気づかなかった何かと何かを繋げること。

 今、見たいのは、ツリーなのかネットワークなのか、系統樹なのか系統ネットワークなのか。それとも、系統関係を時空的にスパッと切ったところに見えるはずの分類なのか。

 別に生き物ではなくとも、この世は系統関係に満ちている。それをどう把握するかという時に、手持ちのツールとして、その特性を意識できると、研究者なら成果物(論文など)の出来に直結するし、研究者ではなくとも人生を豊かにする効能があるやもしれない。アマチュアでも、系統推定ソフトは使えるから、適切に特徴をコード化して「ポケモンの系統樹」を描いたりするような楽しみ方だってできる(これ、本当にやった人がいるのだ)。いや、そこまでやらなくても、複雑な世界を単純化して理解するためのツールに通じていることは「ライフハック」的な効能もあるだろう。