第3回 ハヤブサがタカよりインコに近かったことが示すもの

「伝統的な分類は、外見的な特徴が似ている生きものをまとめて群にしてきたわけです。一方で、系統推定では、今まで我々が近いと思ってきた分類群、ある意味、認知的な体系とずいぶん、ずれてくることがあるんです。系統と分類を無理にすり合わせようとしたら──例えば、魚っていなくなってしまう、という話にまでなりますから」

 魚がいなくなる? 魚は誰が見ても魚であって、自明ではないか。

 などと思う方は、試しに検索してみるといい。Wikipediaの魚類の項目には、「脊椎動物亜門 Vertebrata に属する動物群のうち、両生類と有羊膜類を含む系統である四肢動物を除外した動物群である」と非常にまわりくどく説明してある。そして、その理由として、「煩雑な表現をとったが、これは現在の系統学の立場からこの群を定義するにはこれしかないからである」とある。

 系統推定と、従来の分類が、ぶつかるとこのようなことが起きる。そういえば、つい先日、やはり分子生物学的な系統推定から、ハヤブサが、タカなどよりも、スズメやインコに近いことが分かってきたので、分類を変更すると日本鳥学会が発表していた。

 いったい、こういったことは、どう考えればいいのだろう?

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