第3回 ハヤブサがタカよりインコに近かったことが示すもの

「今は、DNAの塩基配列やタンパク質のアミノ酸配列を見て、系統推定をすることが増えました。かつては形態を見ていたんですが、原理的には同じです。生き物ごとに相互に比較できる特徴(形質)がありますから、適切な指標となりえる部分を複数選んで解析するわけです。進化の過程でどのような順番で枝が分岐したと考えるのがもっともらしいか、データから推定しうる最良の系統樹はどうなるかが、系統樹推定の中心となる問題です。そのために,最節約法、最尤法、距離法、と様々な方法が考案されてきました。特に、最近はDNA塩基配列やタンパク質アミノ酸配列の分子進化過程を確率モデルとして考察する分子系統学が進展してきましたから、系統樹の推定に際して統計学の最先端の知識が要求されるようになってきました」

 といった具合。

 本来なら、こういった系統推定の仕方について、もっと具体的に詳しく述べるのもアリだと思うのだが、三中さんのインタビューで、この点にばかり説明を費やすのはもったいないと感じるので、この程度で。

 というのも、三中さんが研究者として「裏」のテーマに惹きつけられるようになった時点で、こういった方法はおおむね確立しており、三中さんは、むしろその先に提示される問題に、コミットしてきたからだ。

 例えば、分類と系統の問題。