第3回 ハヤブサがタカよりインコに近かったことが示すもの

 農学と統計学は切っても切れないほど深い縁がある。

 現代統計学の祖の一人であるロナルド・フィッシャーが、20世紀のはじめに研究生活を送っていたのは、英国の農業試験場であった。実験計画法、分散分析、最尤法(さいゆうほう)といった、統計学のどんな教科書にも出てくる、基礎的で偉大な業績を多く残した。

 またフィッシャーは進化生物学者でもあった。彼の考えは優生学と密接に関連していたので、この点について後世の評判はよくないのだが、ここでは進化生物学の研究、例えば系統推定などが、統計学によって確からしさを保証されるものだと押さえておきたい。

「統計学という意味では、『裏の仕事』も『表の仕事』もたしかにつながっています。昔から生物の分類には興味があったんですが、たまたま生物統計の研究室に行くことになって、進化の系統推定をどうやっていくのかということになると、実は、それらがつながっていたと。まあ、いきがかり"by chance"なのですが」

 なお、進化の道筋を知る系統推定(つまり、系統樹を描くために必要な作業である)になぜ、統計学が必要なのか。意外に思う方もいるかもしれないので解説していただいた。

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