第35話 若者たちの語らい。「俺は、キラーじゃない!」
この夜、私たちは遅くまで話し合った。
外では、時々犬たちが吠えていた。
ぼんやりとした裸電球を囲んで語り合った時間は、とても有意義だった。
それからと言うもの、トビエスは、若いメスのグリズリーを撃った話をしなくなった。
彼もまた、あの語らいで、多くのことを気づかされたに違いない。トビエスは言った。
「俺はもちろん、セビーナが襲われそうになったら撃つよ。でも、それ以外は、もう撃つ必要なんて、ないさ……」
セビーナとトビエスは、また仲良くじゃれ合っている。私も、それを見てホッとした。
そんなとき、ドッグヤードにいた私たちに、スティーブが遠くから叫んできた。
「トーニャが、戻ってくるぞ!」