第35話 若者たちの語らい。「俺は、キラーじゃない!」

 完全に、〈男性の感覚VS女性の感情〉論の水掛け合いである。

 こればかりは、男と女、体や脳、心のしくみ、それに、生きる役割が昔から違うのだから仕方がない。

 スティーブは、女性陣の感情も受け取りながら、再びじっくりと考え込んだ。

「確かに……、殺す快楽は危険な心理だ。僕たちフードハンター(食料のために狩りをする者)は、動物を殺すけれど、自然や動物たちを尊重もしている。でも、スポーツハンターたちの中には、敬う心を持たない者たちがいる。僕は、森に生きる者として、自然に敬意を払わないハンターたちは軽蔑する」

 森で生まれ育ち、これからも森で生きていくスティーブの言葉は、とても重い。

 私は、彼と共に網漁やロッジの雑務をして、彼の生きる技術の高さや知恵の多さに、とても感心していた。尊敬もしている。

 再び窮地に落とされたようなトビエスは、自ら心を落ち着かせようとして、深く息を吐きながら言った。

「俺だって……、もちろん自然を尊重しているよ。熊や動物も大好きさ」

「だったら、どうして動物を殺すの? なぜ、そっと木の陰から動物たちの様子を見ているだけでは、ダメなの?」

 セビーナは、憤りで苦しくなった胸を押さえながら言った。