第35話 若者たちの語らい。「俺は、キラーじゃない!」
森で命を繋ぐために狩りをする人たちにすれば、スポーツハンティングというのは、眉間にしわが寄るような言葉である。
けれどスティーブは、裸電球のぼんやりとした明かりのなかで、静かに言った。
「でもね……、僕はトビエスの気持ちが解らない訳じゃないんだ。ハンティングは、なんと言うか……、」
スティーブは、慎重に言葉を選ぼうとしていた。
「なんと言うか……、男のチャレンジなんだよ」
トビエスも、頷いた。
「そうなんだよ。相手は大きな熊だから、風下からそっと近づいていく瞬間は、銃を持っていても、恐怖心との闘いなんだ」
セビーナが言う。
「銃を撃つことや、殺すことに、アドレナリンが出ているだけよ!」
私も言った。
「そうそう、結局は、楽しんでいるのよ」