番外編15:透けた虫がやってきた!

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 新しい自宅の隣には学生用ラボがある。夜になると、その部屋の明かりに引き寄せられて、さまざまな昆虫たちがやってくる。

 ラボの前を通るたび、窓ガラスにくっついた昆虫を見て歩くのだが、この前、ちっちゃな白っぽい虫が目に留まった。まるでゴムかプラスチックでできているみたいだ。

 ん? よく見るとかなり透けているではないか!!
 さっそくカメラを持ち出し撮影した。ノミハムシの仲間だ。

 ノミハムシには、前翅が半透明なものがいるのだが、ここまで透けているのを見たのは初めて。背中側からは折りたたまれた後ろ翅がはっきりと見えるし、腹側からは内臓が見える。脚が動くと中の筋肉の動きも見える。

 採集して、白いどんぶりの中で撮影したのが、下の写真。同定を依頼した米国スミソニアン博物館のDavid Furth博士によると、おそらく新種だろうとのことだった。

ノミハムシの一種(甲虫目:ハムシ科:ヒゲナガハムシ亜科:ノミハムシ族)
A flea beetle, Nasigona sp.
ノミハムシの後ろ脚の「太もも」は、ノミのように跳ねるために太くなっている。脚が動くと、中にある薄茶色の筋肉が動くのがわかる。
体長:4 mm 撮影地:モンテベルデ、コスタリカ(写真クリックで拡大)
ノミハムシの一種(甲虫目:ハムシ科:ヒゲナガハムシ亜科:ノミハムシ族)
A flea beetle, Nasigona sp.
横から見たところ。透明の淡いエメラルドグリーンの外骨格に覆われているのがわかる。体内は黄色っぽい。実体顕微鏡で腹側を覗くと、気管や腸などの内臓が見える。
体長:4 mm 撮影地:モンテベルデ、コスタリカ(写真クリックで拡大)

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西田賢司

西田賢司(にしだ けんじ)

1972年、大阪府生まれ。中学卒業後に米国へ渡り、大学で生物学を専攻する。1998年からコスタリカ大学で蝶や蛾の生態を主に研究。昆虫を見つける目のよさに定評があり、東南アジアやオーストラリア、中南米での調査も依頼される。現在は、コスタリカの大学や世界各国の研究機関から依頼を受けて、昆虫の調査やプロジェクトに携わっている。第5回「モンベル・チャレンジ・アワード」受賞。著書に『わっ! ヘンな虫 探検昆虫学者の珍虫ファイル』(徳間書店)など。
本人のホームページはhttp://www.kenjinishida.net/jp/indexjp.html