そして新生プレカンラボの存在は、JAMSTECの他の研究組織や他の大学や研究機関の研究者達にもきっと良い影響を及ぼしているに違いない。

新生プレカンラボのメンバー達が触媒となって、どんどん分野横断的な研究のネットワークが広がりつつある。そして多くの若い世代の研究者達はもはや分野横断していることなんて特に意識していないだろう。当たり前のように解明すべき対象に対して分野横断的なアプローチを駆使して、その結果を学際的に議論するようになったんだ。

最初のインド洋のかいれいフィールドのしんかい6500の潜航調査でハイパースライムを発見して、その結果に触発されてウルトラエッチキューブリンケージ研究グループを立ち上げ、それに続くプレカンブリアンエコシステムラボラトリーを創設し、そしてその存亡を賭けた闘いを繰り広げてきた。

そんな過去を振り返ってみると、ボクにとってその過程は、深海熱水や地殻内の微生物研究に打ち込んだ自身の青春記とはまた違った、「研究を共にする仲間達やいろんな意味でそれを支えてくれた人達との想いを載せた青春の一ページ」と言えるモノだった。

そして最後に少し最近のボクのコトを。

次のフロンティアへ

あれは2011年の2月のことだった。ちょうどこの「青春を深海に賭けて」を書き始めた頃だっただろう。ボクはあるメールで横浜桜木町に呼び出されていた。

メールの送り主は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の矢野創さんという人だった。勿論ボクには面識はなかった。ただ同時に招集されていたJAMSTECの同僚の高野淑識君から、あの一大ブームを巻き起こした「はやぶさ」プロジェクトに大きく関わっていた人ということは聞いていた。ボクはそんな人が一体何の用なのかと訝しんだ。

この連載の前回の
記事を見る

この連載の次の
記事を見る