しんかい6500から出てきた亀田興毅、ではなくて、現JAMSTEC海洋・極限環境生物圏領域とプレカンブリアンエコシステムラボの川口慎介君。「シャー、こら!」もしくは「ウホ!」と言いそうなくせして、実は繊細でカラダ弱い最年少。
(提供:高井研)

ボクはあの第一回絶滅危機を乗り越えた時、しっかりと感じた事があったんだ。新生プレカンラボには、若いしっかりした力が着実に育っていると。もうボクの力なんてほとんどいらないということを。あとは個性豊かな彼らが創っていけばいいと。

日本で最初に地球化学と微生物学を融合させた希有な人材

実際、新生プレカンラボの連中は個性豊かな頼もしいヤツラばかりだった。上で紹介した4人はみんな日本地球化学会の若手奨励賞を立て続けに受賞してしまった(まあ全然大した賞じゃないと言ったら日本地球化学会には怒られそうだが)。

彼らの頼もしさは研究がしっかりしているというだけじゃない。ちゃんとボクの長期的人体実験研究である「一人の若者研究者の中に分野融合を実現させる」というテーマを実践してくれているところだ。

中村謙太郎君は変質岩石の専門だったはずなのに、いつのまにか「インド洋で見つかった新しい深海熱水域での白いスケーリーフット発見と黒いスケーリーフットとの遺伝的・生理学的・発生学的比較」みたいな論文をまとめあげるようにまで変態化が進んできた。

西澤学君は日本地球化学会の若手奨励賞をもらったときの理由として、「日本で最初に地球化学と微生物学を融合させた希有な人材」とか言われて有頂天になっていたらしい。ほう、オレ様を差し置いて「地球化学と微生物学を融合させた最初の研究者」だと。上等だ、表に出ろ。勝負したる。

川口慎介君はこれまた、知識だけはバッチリの耳年増の女子中学生みたいな、もう頭の中だけはパーフェクトな分野融合を成し遂げた「希有な人材」である。しかしとにかく実験が嫌いという不治の病に侵されているので、まずは「居残り試験管洗い2万本の特訓です」と言いたい。

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