規則正しく、一定のリズムで、かなりの距離を羽ばたきながら、足で水面を蹴るようにして、スピードをあげていくのです。

 <飛ぶつもりだ……>

 徐々にルーンの体が水面から離れ、ようやく空に浮かび上がると、そのまま、この湖の上空を、ぐるっと大きく円を描いて飛びまわりました。

 そして、喉をふるわせ、ヨーデルのような鳴き声を響かせながら、仲良く並んで、ぼくの真上を飛んでいったのです。

 ヒュイヒュイヒュイッと、翼が風を切る音が聞こえ、だんだん小さくなっていきます。

 行方を目で追っていくと、ルーンたちは湖の周囲に沿って飛んだ後、今度は8の字を描くようにして、湖の上空をくまなくカバーするように飛びました。

 鳴き声を上げるたびに、湖にはその声がこだまとなって響き渡りました。

 自分たちの縄張りであるこの湖を、空から偵察しているのかもしれません。

 <上から見られたのでは、さすがにばれたかな……>

 対岸にテントがあることも、ビーバーロッジの横にカヤックがあることも、全部、丸見えだったに違いありません。

 ルーンはそのまま、どこかへ行ってしまいました。

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